11月28日、JRAとNARは全日本的なダート競走の体系整備に関する改革案を発表しました。
主な変更点は「3歳ダート三冠競走を中心とした体系整備」と「2、3歳ダート短距離路線の整備」、「既存ダートグレード競走の見直し」の3点。
競馬ライターの古谷剛彦さんのまとめがわかりやすい。
【こちら日高支局です・古谷剛彦】新たに創設される3歳ダート3冠へ 地方競馬関係者の奮起にも注目(スポーツ報知)https://t.co/V0Gcivy3aq#keiba #nar_keiba #doeikeiba #jra
— がんばれ!ホッカイドウ競馬 (@dokeiba) November 29, 2022
簡潔に言えば、2歳、3歳、古馬をマイル以下と中距離で体系をきっちり整備し、牝馬も含め、上半期と下半期で目標となるレースを定めた。その上で、ダート競馬は、地方競馬が主体となって行う上で、3歳ダート3冠や、短距離の交流G1を春に設定(さきたま杯が昇格)された。
では、発表された主な内容をみていきましょう。
★3歳ダート三冠競走を中心とした体系整備
中央競馬・地方競馬の所属の枠を超えた3歳ダートチャンピオンを決定する全日本的な競走体系の構築という観点から、羽田盃(JpnⅠ・大井1,800m)および東京ダービー(JpnⅠ・大井2,000m)を新たにダートグレード競走として実施。
また、ジャパンダートダービー(JpnⅠ・大井2,000m)はジャパンダートクラシックへ改称し、10月上旬に時期を変更して実施することとし、同競走の優勝馬にはJBCクラシックの優先出走権を付与。
なお、前述3競走を「3歳ダート三冠競走」と位置付け、賞金額を大幅に増額し、併せて三冠ボーナスを設定。

★前哨戦の整備
現状の3歳ダート路線では1月から4月までダートグレード競走の空白期間となっていることから、ブルーバードカップ(JpnⅢ・船橋1,800m)をはじめとする複数のダートグレード競走を新設し、3歳ダート三冠競走に向けた体系を整備。そのうち3歳ダート三冠競走の前哨戦として、羽田盃の前哨戦に雲取賞(JpnⅢ・大井1,800m)、京浜盃(JpnⅡ・大井1,700m)を位置付け、新たにダートグレード競走として実施。
また、東京ダービーの前哨戦にユニコーンS(GⅢ)を位置付け、実施時期等を変更して実施。さらに、ジャパンダートクラシックの前哨戦に不来方賞(JpnⅡ・盛岡2,000m)を位置付け、新たにダートグレード競走として実施。
なお、三冠競走における出走馬の選定については、各競走の前哨戦で上位となった馬が優先的に出走できる選定方法を予定。

★2・3歳ダート短距離路線の整備
3歳ダート短距離路線においては、中央競馬・地方競馬ともに目標となる競走が不足していることから、兵庫チャンピオンシップの競走距離を1,870mから1,400mへと変更し、3歳春季短距離路線の頂点競走として位置付けます。
併せて、古馬の層が厚い短距離路線における3歳馬の賞金獲得機会拡大の観点から、北海道スプリントカップ(JpnⅢ・門別1,200m)の出走資格および時期を変更して実施。
また、2歳ダート短距離路線においては、出走馬の質の向上を図る観点から、エーデルワイス賞(JpnⅢ・門別1,200m)の時期を変更して実施。

★古馬短距離路線の整備
古馬短距離路線においては、下半期にJBCスプリント(JpnⅠ)が設定されている一方で、上半期には目標となる競走が設定されていない現状を踏まえ、新たな上半期の頂点競走として、さきたま杯(JpnⅡ・浦和1,400m)をJpnⅠへ昇格して実施。併せて、これに伴う競走体系の整備として、一部ダートグレード競走の実施時期等を変更。

★古馬中距離路線の整備
古馬中距離路線においては、11月から1月までGⅠ/JpnⅠ競走が連続して設定されていることを踏まえ、ローテーションの整備および出走馬の質の向上を図る観点から、川崎記念(JpnⅠ・川崎2,100m)の時期を変更して実施。併せて、これに伴う競走体系の整備として、一部ダートグレード競走の実施時期等を変更。

★古馬牝馬路線の整備
古馬牝馬路線においては、下半期にJBCレディスクラシック(JpnⅠ)が設定されている一方で、上半期には目標となる競走が設定されていない現状を踏まえ、エンプレス杯(JpnⅡ・川崎2,100m)の実施時期を変更し、併せて負担重量をグレード別定から定量へ変更のうえ、新たな上半期の頂点競走として設定。
また、各地区から頂点競走へ向かう競走体系を構築する観点から、TCK女王盃(JpnⅢ・大井1,800m)の実施場を園田競馬場へ変更するとともに、兵庫女王盃(JpnⅢ・1,870m)へ改称して実施いたします。併せて、一部ダートグレード競走の実施時期等を変更。

★3歳牝馬路線の整備
3歳牝馬路線においては、上半期に関東オークス(JpnⅡ)が設定されている一方で、下半期には目標となる競走が設定されていない現状を踏まえ、マリーンカップ(JpnⅢ・船橋1,800m)の出走資格および実施時期等を変更し、新たな下半期の頂点競走として設定。また、同競走の優勝馬にはJBCレディスクラシックの優先出走権を付与。

なお、これら発表された新しい競走体系の開始時期は、
2歳馬競走:2023年から開始
3歳馬・古馬競走:2024年から開始
となっています。
先程記者会見が行われましたが、ダートの路線体系が3歳も古馬もかなり変わります。
— ラジオNIKKEIアナウンサーズ (@keiba_ana_west) November 28, 2022
雲取賞や京浜盃のダートグレード競走化、さきたま杯がJpnI格付けに、川崎記念が4月に移動、TCK女王盃が兵庫女王盃と名称を変えて園田で4月開催に……などなど、変更が多数発表されました。 https://t.co/ifhyDlNUNy
3歳ダート三冠路線が目に付きますが、北海道スプリントCの3歳限定化なども合わせて考えると、賞金を持った3歳が増える→JBCやチャンピオンズCに出走できるような3歳を増やす・4歳の早い時期からダートグレードで戦える馬を増やしていく。つまりダート路線全体の若返りが狙いだと感じます。
— よこてん(Norichika Yokogawa) (@NorichikaYokog1) November 28, 2022
「全日本的なダート競走の体系整備について」の記者説明会に出席しての感想
— 若林幹治【ケイシュウNEWS・川崎取材班】 (@kanji19751006) November 29, 2022
地方競馬に対して配慮をしていること。完成形でなく、これから整備していくということ。強調したいのは、この2点です。
地方競馬への配慮とは写真にあるように当初は中央馬の出走枠を少なく設定。あとは様々な施策。
続く pic.twitter.com/TA0WysqVID
いろんな改革が行われていようとしていますが、本日もBAOO博多では変わらず地方競馬の馬券を発売しております。皆さんのご来場を心よりお待ちしておりますよ。
