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1兆円突破

地方競馬全国協会によれば、1月から12月までの暦年での売上金額がこれまでの記録を更新したと発表しました。

地方競馬における暦年での売得金額 レコード更新

2022年1月1日(土)から12月31日(土)までの地方競馬の売得金額が下記のとおりとなり、地方競馬における暦年での売得金額レコードを更新(※)しました。

2022年の地方競馬は、コロナ禍のため多大なご不便をおかけしたにもかかわらず、多くのお客様に参加していただき、開催成績につきましては前年を大きく上回ることができ、年間としては過去最高の発売成績を収めることができました。これもひとえにお客様や関係者のみなさまの温かいご支援の賜物と深く感謝しております。

今後もお客様や関係者のみなさまへの感謝の想いを忘れず、強い馬づくりや施設整備等を進め、2023年も引き続き、年間を通じて全国のお客様によりお楽しみいただけるように競馬の魅力や競馬情報システムの利便性の向上に全力で取り組むとともに、畜産の振興と地方財政の改善という地方競馬の社会的責任も果たしてまいります。
 
地方競馬における暦年での売得金額レコード
・2022年1月1日(土)~12月31日(土)  1,065,137,418,250円(重勝式を含む) ※速報値
(前年対比 110.4%)

 
◆従来の記録
地方競馬における暦年での売得金額レコード
・1991年1月1日(火)~12月31日(火)   982,429,756,200円

 
 ※なお、今回発表の売得金額は速報値です。確定した売得金額を含む開催成績の確定版は、後日、地方競馬情報サイトに掲載します。
※NARが設立された1962年(昭和37年)以降の記録

かいつまんでいえば、売上がこれまでの1991年の記録9,824億円を超えて1兆円いっちゃいましたってことですね。

また、記録を更新したからといって浮かれるなんてとんでもない、今まで以上に感謝の気持ちを忘れずにやりますからねとも言っていますな。

今年2023年は、今度は年度での1兆円、つまり2022年4月から2023年3月までの令和4年度でも胃腸炎じゃなかった、1兆円を越えちゃうかが焦点になるというわけです。

農林水産省のデータで見てみると、JRAと地方競馬の売上の推移はこんな感じです。

グラフを見ると、中央競馬も地方競馬も、いわゆるV字回復ってやつですね。入場者数はコロナ感染による入場制限などもあってガクンと下がっていますが、売上はここ数年は完全に底を打って回復基調にあることがわかります。全体の割合のインターネット投票の数字が91%超になっているのが特に目を引きますね。

しかーし、10年前はお先真っ暗だったんですな。まだVの片側(上昇側)が見えていなかった10年前。10年前に観ていたグラフはこんな感じでした。

地方競馬は1991年をピークに、JRAは1997年をピークに右肩下がりに売上は下がり続け、どこまで下がり続けてしまうんだろうか、気っと下がり続けると信じられていた時代です。バブル崩壊後、2001年以降は全国の地方競馬で廃止ドミノが始まり、中津、新潟、三条、益田、上山、足利、宇都宮、高崎、北見、岩見沢、旭川、荒尾、福山と12年間に13の競馬場が赤字を垂れ流して廃止に至りました。

平成24年(2012年)には農林水産省の資料で以下のような報告がなさています。

地方競馬の活性化と競馬の振興に向けて―競馬法の一部を改正する法律案― 農林水産委員会調査室 本島裕三

立法と調査 2012.4 No.327(参議院事務局企画調整室編集・発行)

近年、競馬の売上げが著しく落ち込んでいる。
我が国で売上げの9割弱を占める日本中央競馬会(JRA)主催の中央競馬では、平成23年の売上げは2兆2,936億円にとどまり、ピークであった4兆7億円(平成9年)から、約4割の減少となった(図1)。

平成23年は、東日本大震災による開催の中止といった特別な事情はあったものの、平成10年から14年連続で、前年の売上実績を下回る結果となっており、売上げの落ち込みが続いている。JRAは、平成22年に事業損益が赤字に転落している。このため、JRAの平成24事業年度予算においては、剰余が出た場合にその半分を国に納める「第2国庫納付金2」の予算計上を見送るなど、厳しい経営環境となっている。

平成とか西暦とかわかんなくなると思うので早見表をつけておきます。

中央競馬も地方競馬も売上の底は平成23年、西暦でいうと2011年ですね。

中央競馬は40%売上が落ち込んでいましたが、地方競馬はもっと厳しかったと書いています。

地方競馬の活性化と競馬の振興に向けて―競馬法の一部を改正する法律案― 農林水産委員会調査室 本島裕三

地方競馬の経営環境は、更に厳しい。
平成22年度の売上げは3,332億円であり、ピークの9,862億円(平成3年度)から7割近く減少している(図2)。


経費削減等の取組は進んでいるものの、地方競馬16主催者中、半数の8主催者で単年度収支が赤字となった。
地方競馬においては、平成13年度以降、7主催者が競馬事業から撤退し、16主催者により地方競馬が実施されてきたが、平成23年末に熊本県の荒尾競馬組合が経営難を理由に競馬事業から撤退し、15主催者になった。地方競馬では、主催者ごとに収支状況に格差があり、堅調な主催者も存在する一方、収支の改善が遅れている主催者も存在している。

こうした危機的状況を受け、農林水産省は、主として地方競馬に対する支援措置を講ずるために競馬法を二度にわたって改正。馬馬券の払戻率については各主催者が一定の幅の中で決定することができるようにしたり、他の競馬場との重複開催回避のためのナイター照明の整備、地方競馬場同士間または地方競馬とJRAの連携を強化し交流競走やシリーズ化の促進、競馬ファンの利便性をあげるネット投票システムの拡充などが行われてきたわけです。

『地方競馬の活性化と競馬の振興に向けて』で農林水産委員会調査室の本島 裕三氏は最後に【競馬の魅力向上】と題して以下のような報告を行っています。

地方競馬の活性化と競馬の振興に向けて―競馬法の一部を改正する法律案― 農林水産委員会調査室 本島裕三

近年、高配当が期待できるものの、的中が難しい3連単などの勝馬投票法が導入され、売上げに占める割合が増加している。

※JRAにおける平成 23 年の勝馬投票法ごとのシェアは単勝式 4.5%、複勝式 7.2%、枠連 3.5%、馬連 14.3%、馬単 9.1%、ワイド 5.1%、3連単 36.2%、3連複 18.1%、5重勝 2.0%となっている。

これらの勝馬投票法については、ファンに高配当を期待させる宝くじ的な性格があるため、1人当たりの購入額を下げている可能性がある。また、的中したファンも、払戻金を次のレースの勝馬投票券の購入費用に充てないことで、購入資金が回転せずに1日当たりの売上げも下がる可能性もある。

ファン1人当たりの購入額を上げ、1日当たりの売上げを伸ばすためには、単勝、複勝、ワイドといった比較的当たりやすい投票券の払戻率を引き上げることも考えられる。
※JRAは単勝式・複勝式について、平成 17 年から払戻率5%を上乗せし 80%としている。

本改正案では、払戻率の規制を緩和し、勝馬投票券の種類ごとに一定の範囲内で競馬主催者の判断で定めることができるとされているが、払戻率の変更を売上増につなげることは容易ではない。払戻率を上げても、売上増につながらなければ、競馬主催者の収支が圧迫される。

他方、払戻率を下げてしまえば、ファンの競馬離れを招くおそれがある。一度ファン離れが起きれば、回復させることは困難であろう。

近年、競馬の売上げが減少している理由について、バブル景気以降の不景気やレジャーの多様化ということがしばしば挙げられる。消費者心理が冷え込み、競馬に向かう金額が抑えられていることは事実であろう。

しかし、JRAは、「競馬ブーム」により、バブル崩壊後の平成9年まで売上げを伸ばした。近年のJRAの売上げ低迷は、不景気やレジャーの多様化というよりも、むしろ、ブームの源であった「熱気」を維持できなかったことが大きいのではないかと思われる。

これまで、競馬の魅力向上策として、競馬場の整備・改修、競走番組の改革、ファンの利便性向上、強い馬づくりといった施策が実施されてきたが、これからは、「競馬の魅力とは何か」を突き詰め、公営ギャンブルである競馬としての魅力をしっかり分析し、最大限にいかして、「熱気」を取り戻していくことが必要ではないだろうか。

ここでも取り上げた「地方競馬、改革宣言」「全日本的なダート競走の体系整備について」は地方競馬の魅力向上策の一環だし、いつも議論される払戻率については「経済の原則を理解していない競馬場」で取り上げたとおりです。

今、地方競馬はピークだった年の売上を越えました。再び暗黒の廃止ドミノとならぬように儲かっている間にいろいろな手が打てるかどうか。あと10年経ったら、浮かれずにやってきたかどうかがわかるってわけです。

こんな声が絶えず聞こえてくるので浮かれずに手を打てるかどうかは疑問ですけどね。

ちなみに世の中で取り上げられている「1兆円」に関するものを以下に拾ってきたので、これを見て「1兆円」を感じてください。

楽天、創業20年で2018年12月期 売上高1兆円超に

楽天は2018年12月期に売上高にあたる売上収益が1兆円を突破(前期は9444億円)する見通し。
1997年の設立から約20年での大台乗せとなる。90年以降に新規に立ち上げた日本企業で売上高が1兆円に達するのは楽天が初めて。

マネックス証券の投資信託の残高が1兆円突破

マネックス証券の投資信託の残高が、2022年3月末に1兆円を突破しました。
投資信託残高とは国内籍投資信託(MRF除く)、外国籍投資信託(MMF含む)、iDeCo、ON COMPASSの残高

2021年の農林水産物・食品の輸出額が1兆円突破

日商レポート  会議所ニュース2022年3月1日号 金子原二郎
農林水産省は「2021年の農林水産物・食品の輸出実績」を公表。
2021年(1~12月)の農林水産物・食品の輸出額は1兆2385億円。
20年比で25・6%(2525億円)増加し、政府の年間輸出額目標の1兆円を初めて突破した。

ターゲティング広告の国内市場規模が2018年に1兆円突破

2018年9月3日 日本経済新聞
過去に見たサイトや購買履歴を分析し、0.1秒以内に好みや関心に合わせて最適な広告を打つ。
ネット上で特定の個人を狙う「ターゲティング広告」の国内市場規模が2018年に初めて1兆円を超える見通しとなった。

メルカリの累計流通額が1兆円を突破

メルカリは、2018年11月14日時点でフリマアプリ「メルカリ」の累計流通額が1兆円を突破
サービス開始日(2013年7月2日)からの日本国内累計流通額
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