『舞妓さんちのまかないさん』は、小山愛子さんによる漫画で、『週刊少年サンデー』(小学館)にて2017年より連載中だそうで、第65回(2019年度)小学館漫画賞少年向け部門受賞作品です。2022年1月時点で累計発行部数は200万部を突破していて、現段階では270万超となっているそうです。

原作の漫画のほうは読んだことがないですし、NHKで放送されている『アニメ 舞妓さんちのまかないさん』 も観たことはないんですが、今回、是枝裕和さんの総合演出で実写化したNetflixシリーズ「舞妓さんちのまかないさん」(全9話)を一気に観ました。

ハイ、とてもおもしろく見させていただきました。
The Netflix series The Makanai: Cooking for the Maiko House (舞妓さんちのまかないさん) is really wonderful – beautifully acted and filmed, heartwarming, emotional, hilarious at times. And the cooking/food scenes are sublime. Highly recommended. pic.twitter.com/afBMVZiNWj
— Makiko Itoh (伊藤牧子)未だ故障中 (@makiwi) January 19, 2023
まあ、なにせ映像が美しいというか、とにかく引き込まれる映画でしたね。演じた役者さんも素晴らしかったですなあ。主演だった森七菜さんと出口夏希さんは言うに及ばす、脇を固めた個人的には蒔田彩珠さん、橋本愛さん、松岡茉優さん、福地桃子さん、白石加代子さんなどは出色の演技で彼女たちの素晴らしさが主演の二人をより輝かしたんじゃないかって私には思えました。
また、映画では「まかないさん」ですから食事の場面が多数出てくるのですが、フードスタイリストの飯島奈美さんによる食事はどれも相変わらずおいしそうで、その食事の美しさはこの映画に大きな影響を与えていたと思います。
ネットで見ると、もう語りつくされている感もあるので、映画の舞台裏やそれにまつわる話はそちらで読んでいただきたい。
森七菜&出口夏希&是枝裕和監督が語り尽くす「舞妓さんちのまかないさん」
是枝裕和監督「舞妓さんちのまかないさん」は“ごはん”と“美術”が眼福!飯島奈美&種田陽平の仕事に迫る
また、今回取り上げられた舞妓さんの「実際の過酷な労働実態」みたいな話も週刊誌を賑わせているようですので、それらも以下に2つほど挙げておきますので読んでみてください。
Netflix『舞妓さんちのまかないさん』で再燃か。特例では済まされぬ舞妓さんの過酷な労働実態
2023.01.25 63 by 中島聡『週刊 Life is beautiful』
《元舞妓らが告発》ドラマとは違う“舞妓のまかない”の壮絶なリアル
「文春オンライン」特集班
Netflix『舞妓さんちのまかないさん』に関して、本作のショーランナーである是枝監督の声明が出ました。
— suzu (@nezimaki49081) January 24, 2023
元舞妓さんからの告発は、本作の制作には影響はない、と明言している。制作期間は告発前であり、是枝監督自身も「花街文化」に対する疑念はあったと。誠実な文章。
https://t.co/FEG1stVmTU
『舞妓さんちのまかないさん』。舞妓の世界と仕込み(見習い)の子たちはまるでK-POPの世界と練習生。華やかだが不条理な世界、搾取の構造、児童労働。システムへの批判的な視点を内包しながらそれでもその世界で夢を見る彼女たちの姿は否定しない、肯定もしない。問題は解決しない。それでも人生は続く pic.twitter.com/4np8Ytwk5D
— モリドン (@moridon71) January 22, 2023
まあ、映画の制作による周辺の問題はそれぞれ個々人で考えていただくとして、ぜひ見ていただきたいですなあ。
話の内容は、物語のうち、いわゆる「成長の物語」に分類されるものだと思うんですが、思春期から若者に成長していく中で悩む問題がこの映画にはよく描かれていると思いました。舞妓さんの業界だけでなく、他の業界でも同じように悩む若者が多いと推測しますが、栄光も挫折も双方取り上げられており、特に若い方にはテレビドラマを見る感覚で見てほしい、否、見るべきだと思いました。
もうちょっと具体的に書いたほうがわかりやすいとは思うんですが、それはネタバレにもなりますし、講釈を聞いてから見るよりは、見た上で自分で消化したほうがよろしいかと思います。
その中でも、あえて1つだけ取り挙げておきたいのは、白石加代子さん演じるおばあさんの言葉は、今作の中でももっとも響きましたなあ。

高校生の質問に応える場面ですが、このばあちゃんの言葉を世の中が、社会が、大人が、親がよく理解して実践すれば、子供たちに接してこういう視点で見て評価してあげれば、みんなが幸せになれるのになあ・・・・と思える語りでした。

大人はもうだいだい気づいているはずなんですが、まだ世の中では大多数にはなっていないような気がするばあちゃんの箴言でした。これを見るだけでも価値がありますよ。
全9話のうち第何話にこの場面が出てくるかも言いませんぞ。最初から見てこその言葉ですからね。
さあ、地方競馬で馬券を買って遊んだ後はNetflix『舞妓さんちのまかないさん』を見るべし!絶対見てくださいね。
