久々におもしろかったです、この本は。
終わるのが惜しくて、あえてちょびちょび読み進めていったんですが、とうとう終わっちゃった・・・

ギャンブルの神様に魅入られた、“ろくでなし”の自伝的長編小説
JRAの馬事文化賞は絶対もらえないんですけど、映画化はしてほしいですね。
いくつか紹介したいのですが、今日は1つ紹介しましょう。その前に「ケントク買い」について、ラジオNIKKEIの小林さんの書いているものを読んだうえで、以下を読み進めてほしい。
侮るなかれ? 競馬ファンの「ケントク買い」 ラジオNIKKEIアナウンサー 小林雅巳
・・・ケントク買いとは本来の予想とは関係のない要素を頼りに馬券を買うことです。
たとえば出走馬の実力に関係なく、競馬のポスターやCMなどから何かのサインを見つけたり、その時期に起きていた出来事のキーワードや数字に着目し、それを勝ち馬に結びつけたりします。自分の誕生日、記念日に絡んだ数字の馬券を買うのも、ケントク買いの一種といえます。
それではどうぞ!
園部晃三著『賭博常習者』より
一九七三年の有馬記念の前夜、カウンターに競馬新聞をひろげたイワヤと私は予想に没頭した。
ちまたではハイセイコーの強さに衆目が集まり、一番人気に推されている。
「有馬はシンザンで勝ったコウスケの記念レースだろう。しっかり予想してくれ」
八歳のころの記憶をたどり、ヒントをさぐりながら物語をこしらえ、ひとつの結論にいきつく。
「第十八回有馬記念。どうしても8枠のストロングエイトのエイトが気になるんです。強い8という意味でもあるし、調教師も奥平で、8枠は奥の枠。それと2枠の桜花賞馬ニットウチドリのニ、この牝馬一頭だしを押さえるのは競馬のイロハ。桜花の色はピンク。桃色の帽色の8枠とのつながりも完璧で、枠なら2-8、どうですか」
「ケントク買いか、面白い。大穴だ。去年は一番人気のイシノヒカルが勝って、乗り役は増沢だった。今年もハイセイコーの一番人気でヤネ(騎手)は増沢だ。二年連続とはいかないな。しょせん、おれらは逆張り人生よ。ストロングエイトの単複、ニットウチドリの複勝、枠連2-8本線で勝負。押さえで8枠から総流しするか」
イワヤは迷いなく店から手下に電話した。
そして翌日の有馬記念をヒロミママの自室で一緒に観て、その結果に歓喜した。
ハイセイコーは三着に敗れた。
ブービー人気のストロングエイトが勝ち、単勝4,200円、複勝700円。
二着はスローペースで逃げ残った牝馬のニットウチドリで複勝は390円。枠連2―8は13,300円の万馬券配当となった。
「勝ち金だ。とっておけ」
翌日、イワヤは百万円の束を持ってきた。
「コウスケ、また頼むな」
幾ら勝ったのかはとうとう教えてはくれなかった。

競馬でもスポーツでもなんでもそうですが、自分なりに解釈して「物語をこしらえ」ながら見るとおもしろいんですよね。最近じゃ、ヒット商品生み出すのに企業側が「あらかじめ物語を作って提供する」ってことがあるらしいけど、物語は「自分で作るから」カタルシスがあるんだし、底なし沼にはまるんですよね。
昔「絶対買っちゃいけない」って本の題名があったけど、この本は「ギャンブラーは絶対読んじゃいけない」本ですなあ。おススメします。

ストーリーテリングアニマルである私たち人間の文明にとって、ストーリーは必要不可欠な道具であり、数え切れない書物がストーリーの長所を賛美する。
ところが本書の著者ジョナサン・ゴットシャルは、ストーリーテリングにはもはや無視できない悪しき側面があると主張する。
主人公と主人公に対立する存在、善と悪という対立を描きがちなストーリー。短絡な合理的思考を促しがちなストーリー。社会が成功するか失敗するかはそうしたストーリーの悪しき側面をどう扱うかにかかっている。
陰謀論、フェイクニュースなど、SNSのような新しいテクノロジーがストーリーを拡散させ、事実と作り話を区別することはほとんど不可能になった。人間にとって大切な財産であるストーリーが最大の脅威でもあるのはなぜなのか、著者は説得力をもって明らかにする。
「ストーリーで世界を変えるにはどうしたらいいか」という問いかけをやめ、「ストーリーから世界を救うにはどうしたらいいか」と問いかける書。

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