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園部晃三著『賭博常習者』その4

ヘビーな競馬ファンにはぜひ読んでほしい園部晃三著『賭博常習者』からギャンブラーに参考になりそうな部分を紹介します。

「百万円を二百万円にするのはたやすい」そう嘯いて他人様の懐に平気で手を突っ込み、意表を突いたケントク買いで万馬券を掴み取る。
ギャンブルの神様に魅入られた、“ろくでなし”の自伝的長編小説

園部晃三著『賭博常習者』より

なんの根拠もなかった。
それでも長年にわたって馬券にからむ不思議な傾向を私は感得していた。騸馬のとなりの馬が馬券にからむ確率がかなり高いのだ。
 
この日に狙っていたレースでも、一頭だけ強い馬が単勝二倍をきる人気で、その同枠に騙馬がいて無印。その左どなりの馬は白三角ふたつの人気薄だった。
 
騸馬を赤く囲った競馬新聞をトキタ先生に見せて説明をした。
「どうしてこの馬のとなりの馬が頑張るんですか……」
不思議そうな顔で四角い眼鏡をずりさげて覗きこむ。
 
「理屈ではまだわからない。でも、そういう傾向がある。おれの統計なんだけど」
「統計・・・・・・何割くらいの確率ですかねえ」
「確率か・・・・・・そうだなあ、七割くらいかな」
私はその確率を、少し盛って口にした。
 
「それならば、そういうレースだけを狙って賭けていれば確実に儲かりますね」
「まあ、そうなるけど、そのためには毎週土日に、多いときには全国の三場の七十二レースを競馬新聞でチェックしないとね。馬の頭数にすれば最低でも七百頭以上だよ」
「競馬ってそんなにいっぱいやっているの」
「土日が中央競馬。平日は南関東だけでも、大井、船橋、川崎、浦和の四場のどこかが開催しているから、一年中、毎日どこかで競馬は開催している」
「そうなるとやっぱり経験と統計が大事になりますかねえ……」
 
トキタ先生との会話は私をまごつかせた。考えてみれば、私はこれまで常に競馬好きの人間に囲まれていた。彼らは私の強引な展開予想や、こじつけにも似たケントク買いにも素直に耳をかたむけ、感心してくれる。だが、賭け事から無縁の人からすればそれは屁理屈にもならない、賭博常習者の戯言なのだった。
 
私が狙った騸馬の左どなりの馬は人気薄だったが、パドックでの気配はよくて仕上がっている。ムラ馬で、穴をあけたこともあった。
 
人気馬と馬の左どなりの馬との馬連二十万円、馬の左どなりの馬の複勝十万円、その裏づけを言いふくめたトキタ先生の金で勝負した。
 
頭かたければ紐ゆるい。その格言どおり、狙った馬券はその傾向どおりにどんぴしゃりとはまった。騙馬と同枠の人気馬が一着。左どなりの馬が二着。馬連は二千円、複勝は八百円ついて、私は四百八十万円を手にした。
 席にもどってトキタ先生に元金の三十万円を返した。
競馬場の名前が記された帯封の二つの束を渡そうとしたら、彼はそれを拒んだ。

「言ってたとおりだねえ。でもお金じゃないんでしょう。せっかく勝ったのだから有効利用したらいい」
 
大勝ちしたことで有頂天になり、それから競馬新聞とパドックと返し馬に集中しながら陶酔していた。やはり博打は大きく張らなければ浮上しない。勝負の額は想いの丈でもある。少額では焼け石に水だった。当てたい競馬と大金を稼ぐ競馬では、勝ったときの充実感とその興奮を脳へと伝達するドーパミンの濃度がまったく違う。

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