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珍説・競馬必勝法

1986年3月発行の山口瞳&赤木駿介著『日本競馬論序説』。5年後の1991年に文庫本として発行され、現在も引き続き読み継がれている競馬バカに捧げる本です。発行された年代が年代だけに馬券の種類や競馬を取り巻く環境は大きく変わっている点はありますが、競馬ファンにはいつまでたっても楽しめる内容になっていますのでぜひ読んでみてほしいと思います。

アマゾンでは☟☟☟こんな感想も寄せられています。

無性に競馬場に行きたくなる

山口瞳氏も赤木駿介氏も共に作家であるだけに文章は練達されていて、競馬を切り口に人生の深奥に迫るアフォリズムもちりばめられている格調高いエッセイである。
山口氏は男の山っ気を良くご存知で軽妙で裁けた内容であるが、山口氏は真面目に競馬を語る正統派で、それぞれ個性があって大変勉強になった。
特にお二人の対談「パドック党宣言」を読んだら、無性に競馬場に行きたくなり、つい先日久しぶりに競馬場に出かけた。(結果は散々であったが)
競馬ファンには、競馬を長く楽しむために是非読んでほしい内容である。
連勝複式は、本当に当てやすい馬券なのか。
ギャンブルの魔力と戦う唯一の方法とは何か。
好調馬のしぐさをどう見定めるか。
血統論は信じてよいのか、馬体重は、毛づやは、
どの情報にウェートを置くべきか…。
試行錯誤を重ねること30年にして見え始めた競馬の勘どころ。
分かりやすいパドック指南、効果的な情報整理術など、
ファン必携のマニュアルを収めた本邦初の本格的競馬論。

詳細は読んでいただくとして、ここではいくつかの内容を紹介してみたいと思います。

まずは本書の最後に附録のような形で書かれた「珍説・競馬必勝法」です。

※以下の珍説はJRAでのことが中心になっていることをお断りしておきます

山口瞳&赤木駿介著『日本競馬論序説』の【珍説・競馬必勝法】より

・・・僕は、ここで、むろんオフザケで、初心者向けの、わかりやすい競馬の楽しみ方を伝授したいと思う。これは邪道である。珍説と名づけたユエンもそこにある。

①公営上り、緒戦は買うべし
・・・僕は、こう思う。馬にだって、緒戦、初コースという一種の快い緊張感があるのではないか。好走の要因はそれだと思っている。もちろん、パドックを見て、よしと判断してから買ってもらいたい。

②高齢馬買うべし
僕は、ずっと、競馬は年寄りが勝つと言い続けてきた。ちかごろ、この傾向が目立つ。前記・・・

③失格する馬は強い馬
・・・僕は馬に勢いがありすぎて騎手が御しきれなかったと解釈している・・・

④二頭出しの同一厩舎、同一馬主は人気薄を買うべし

⑤多頭数の難解なレースは1番人気できまる
・・・どうかっていいのかわからない。いや、このレースは荒れるに違いないと思われるときは実力通り人気通り、ほとんど一番人気できまるレースが多い。オッズが的中馬券を教えてくれるようなものだ。

⑥枠順不利の人気馬は消し。人気巣の馬の枠順不利は買い

⑦一番人気の馬の同枠馬が無印だったらソロ目を買う
まったく根拠がない。ただし、案外にこれが盲点になって高配当になるケースがないわけではない。

⑧長期休養明けの牡馬、馬体がよく見えたら、一戦目と三戦目が買い。牝馬は二戦目が買い。
これもほとんど根拠がない。長年の経験で言うだけだ。

⑨圧倒的人気馬の岡部騎乗は消し

⑩菅原泰夫がムチを腰に差していたら買うな
なんだこりゃ。これもパドックにいたオッサンの話。

⑪三歳、および皐月賞までの四歳馬は、キャリアの少ない馬を買う

⑫一番人気から薄めに3点
一番人気の馬が1着、2着する可能性は大きい。これを負かしにかかった馬が潰れて、人気薄の馬が漁夫の利を得るというレースが多い・・・

⑬評判馬は一年寝かせろ

⑭人気馬が二頭連番枠に同居しているときは、両方消えてしまう

⑮公営競馬では、中央からきた有名馬を買うな
中央で活躍した馬が公営におりるには、どこかに欠陥があったからだ。そう考えた方がいい。大井、川崎で活躍した馬が紀三井寺、益田に来た場合も同様に考える。僕は盛岡でテンメイを金沢でホウヨウスペンサーを買ってひどい目にあった。

以上、珍説・競馬必勝法は、いわば附録的な意味あいで書いた。ふらっと競馬場に遊びに行ったが、パドックで馬を見ても、ピンとくる馬がいない。馬券を買わないでレースを見るのも面白くない。そんなときに、いくらか参考にしてもらいたい。

パドックで隣のおっさんが言ってた珍説はいいねえ。競馬はこうでなくっちゃ。誰が言ってたかは問題じゃない。当たるかどうかだ!ってね。

最後のもう1つ紹介しておきます。

山口瞳&赤木駿介著『日本競馬論序説』の【パドックとデータ】より

前走のデータ処理
パドック→データ→馬券。
すなわち、分析→判断→結論。
これが競馬の要諦である。

数字というものは、ときにわたくしたちを大きく助けてくれると同時に、大きな間違いをさせもする。
数字に振りまわされることなく、数字を慎重に利用するのもまた、競馬の要諦である。

着差の数字は、わたしの長い経験から、次の四つの基準を判断の材料にする。
A 0.0~1.0秒 → 無条件の好走
B 1.1~1.5秒 → 好走
C 1.6~2.0秒 → 凡走
D 2.1秒~   → 完敗


この分類はなにを意味するかといえば、選馬後の選別のための「虎の巻」なのである。

先に四頭の馬をどう絞って一~二頭にするか、という問題にぶつかったが、どの馬も、前走、前々走で、Aならば文句なく買い、Bなら買い、CとDでは、いくらパドックでデキがいいと見えても、この馬の馬券は見送るのがいいようだ。

が、ここまで書いてきて気がついた。表現にあいまいさがある。
すなわち、前走と前々走のどちらを優先させるのか、両方ともにAかBでなければならないのか。
前走を優先させるのが原則。
そして前々走との関連となるが、序列は以下のとおりである。
前走(A)・前々走(A)
前走(A)・前々走(B)
前走(B)・前々走(A)
前走(B)・前々走(B)


分析(パドック)から判断(データ)は、この範囲内になるが、少し競馬が分かってきたら、次のようなデータの馬でも馬券を買えることを知ってほしい。

前走(A)・前々走(CかD)・三走前(A)
前走(B)・前々走(CかD)・三走前(A)

前々走の凡走、完敗には、なんらかのアクシデントがあったものと考えるのである。
かなり少ないケースだが、判断を迷わされるのは、前走時に凡走(C)か完敗(D)で前々走、三走前がA~Bの馬である。

選別馬四頭の全部がこれに該当するということも非常に少ないし、前走を最優先するということからも、こうした近走の成績の馬は除外したい。
ただ、分かっていただきたいのは、こうした近走の成績のわるい馬でも、その馬がもしもキャリアの浅い(なんらかの理由でデビューの遅れた)馬か、三歳もしくは四歳春の馬であった場合は、除外か否かの判断が難しいということである。

難しいというよりも、パドックのデキを「よし」とするならば、前走がCやDであっても(とくにCだった場合は)、充分に馬券の対象になるのである。
また、前走(C)・前々走(C)の馬でも、狙って狙えないことはない。

キャリアの浅い馬や、若駒は、レース中のアクシデントに対応する術を知らないので、歴戦の馬がこうむると同じアクシデントでも、そのダメージが大きいために、着差がひろがってしまうのである。

凡走、完敗は、一度までは許されるが、二度となると考えざるをえない。
二走つづけてCとかDの馬は、馬券の対象から外したい。

ときとして、こうした成績の馬でも、専門紙やスポーツ紙が高い評価を与えることがある。
たいていこのような馬は、優秀な血統馬とか、デビュー前にすばらしい調教をしていた馬(厩舎の期待馬)であることが多い。
こうした馬を、さてわたしたちはどうしたらよいかである。
わたしは、こうした馬は馬券の対象にはせず、レースぶりを見る楽しみ方をしている。
結果は、好走、凡走が半々、トレーニングの好走や高価格の馬が、必ずしも期待にそえるとは限らないことを知る。

なお、障害競走馬においては、以上の平地競走馬よりも、一秒ずつの余裕をみたい。
0.0秒~2.0秒がA評価で、以下2.1~4.0がB、4.1秒以下がCとなる。

数字は果たして絶対か
パドックで馬を見てから、そのレースの馬券を買うという行為は、ずっと以前から言われていたことである。
しかし、馬の見方が分からないまま、いつしかデータ偏重へと進んでいったようだ。かつて「データの赤木」といわれた本人にとって、いまになって本稿を書くのは、面映さを隠しきれない。汗顔の至りである。

さて、能力表には、ほかに多くのデータがつめられている。
すべての専門紙に、この見方は記されているが、「着差」の次に重視したいのが騎手名である。
レース名のすぐ下にあるのが、そのときの騎乗者の名だ。
だれが乗ってレースをしたか、ということは重要なことである。
通常、競馬サークルでいわれているのは、馬の力が七騎手の力は三、というものである。
この数字がいわれるようになったのは、ほんの十年ぐらい前からで、それまでは、騎手に・・・・

いかがだったでしょうか?

競馬バカの本はいつ読んでも、どこから読んでもおもしろいですねえ。考えることが突飛で、どうでもいいことにこだわって、そして馬券は外れるという感じですかね。こんな愛すべき本が現在も普通に手に入る時代に感謝したいですね。

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